兵庫県

小野新、安口(篠山市)

篠山市から京都府亀岡市まで国道372号線が通じている。旧篠山街道の道筋をたどっており、その中間にかつて「福住宿」があった。戦時中から1972年(昭和47年)の廃線まで国鉄の篠山線が福住まで通じていた。福住には今でも宿場の雰囲気を残す町並みが残っている。その西側にある「小野新」と東側にある「安口」でスケッチした。

安口(はだかす)(篠山市)10.05.29        F6
「福住」の町並みを描こうと思ったが、篠山・河原町とイメージが似ているので、さらに旧篠山街道を東へ行ったところにある「安口」へ行った。街道沿い農家や商家が並ぶ様子が面白い。安口はかつて篠山藩と亀山(今の亀岡)藩の境界にあり、関所も設けられていたという。ところで安口は「はだかす」と読む極めつけの難読地名である。このあたりには「ハダカス」と呼ぶ山椒魚が棲んでおり、大きく口を開けて餌を食べる様から「アンコウ」(鮟鱇)とも呼ばれていた。これに「安口」の字が当てられ、いつのころからか、安口が「はだかす」と読まれるようになったという。

小野新(兵庫県篠山市)10.05.29        F6
篠山から国道372号線を走っていて、車窓から一瞬、元茅葺き屋根が並ぶいかにも丹波らしい風景が見えたので、車を止めて道端でスケッチした。そばの畑で作業をしていた人が「今ごろ珍しくなった風景でしょう」という。地図で確認すると「小野新」(おのしん)という集落であった。

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