兵庫県

神鍋高原(豊岡市日高町)

神鍋高原は兵庫県北部にあるスキー場の中でも老舗といえ、国体も開かれたことがある。しかし閉鎖されたスキー場も多く、アップかんなべ、奥神鍋、万場の3スキー場が残るだけである。
 
 
   
   神鍋高原・水口(みのくち)(豊岡市日高町)16.09.09     F6  
  この日神鍋高原にも用事があり、故郷からの帰路に寄り道した。神鍋高原と故郷の町との間には蘇武岳など千メートル級の険しい山々がそびえていて、かつてはずいぶん遠回りする必要があった。ところが2003年に山腹を貫いて総延長3692メートルという蘇武トンネルが開通、手軽に行けるようになった。この絵は蘇武トンネルを抜けたところにある「水口」という集落である。以前、この場所を通ったときに家並みが印象に残っていた。トンネルができるまでは水口は神鍋高原の一番奥にあり、付近にアルペンローズスキー場というのがあったが、経営不振で2000年に閉鎖されたという。トンネル開通後なら多少賑わったかも知れない。  

   
  神鍋高原・水口の民家(豊岡市日高町)16.09.09     F6  
 
水口の集落ににとても興味深い民家があった。大屋根に煙出しが3つも並んでいる。昔、養蚕をしていたのだろうか。珍しい姿を描きたいと思ったが、前面からだと面白くないので、家を1周してみた。背面に回ると土蔵の造りも凝っており、構図的にも面白い。しかし多少プライべート空間の感じがするので、スケッチブックを広げるのは気が引け、写真を撮るのにとどめた。

この家の玄関脇に→→の写真のような標識が取り付けてあった。大正12(1923)年創立の「大阪探駆倶楽部」が1936年に建設とあり、登山とスキーを組み合わせた昔のスキースタイルを彷彿させる標識である。このお宅も長い間、スキー民宿なども営まれていたのかも知れない。
 
 
 
神鍋高原の夏(豊岡市日高町山田)2014.07.18     F6
野暮用で故郷へ帰ったついでに夏の神鍋高原でスケッチすることにした。国道482号線沿いにある西気小学校の校門横のイチョウの木陰に椅子を置いた。この小学校は2013年3月に廃校になったらしい。正面に見えるのは「奥神鍋スキー場」のゲレンデである。海抜はそれほど高くないものの、やはり高原の風は涼しい。「昔、あのゲレンデを滑ったことがあったなあ」などと思いながら、気持ちの良いスケッチをした。






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