兵庫県

出石(豊岡市出石町)

ふるさとに近い出石はこれまで何回も訪問している。小さな城下町というだけで、とりたてて古い町並みが残っているわけではないが、京阪神から手ごろな距離にあって、近くの温泉などとセットにしたツアーが組み立てやすいせいか、いつ行っても町を散策する観光客であふれている。2007年(平成19年)12月に出石の町並みも伝統的建造物群保存地区に選定された。

出石城跡から(兵庫県豊岡市出石町)2014.07.18     36×51p
平成の大合併で、豊岡市は兵庫県で面積最大の市となり、スキー場の神鍋も温泉の城崎も城下町の出石もみんな豊岡市に含まれた。古い町名に馴染みのある者には何となく違和感があるが、それはともかく、神鍋高原で1枚描いた後、出石へ移動した。かなりの距離があるが、同じ市内である。早速スケッチをと思ったが、何しろかんかん照りで日陰がない。木陰を求めて出石城跡へ上ると、理想的な俯瞰ポイントがあった。周囲を山に囲まれた小盆地に甍の波が広がっている。セミ時雨の中でのんびりと描いた。






辰鼓楼あたり(豊岡市出石町)2014.07.18     F6
名物の「出石皿そば」で遅めの昼食後、やはり出石といえば無視できない時計台の「辰鼓楼」(しんころう)が見えるメーンストリート(大手前通り)で1枚描いた。城下町のシンボルのように言われている施設だから、てっきり江戸時代からのものだと思っていたが、調べてみたら維新後の明治4年に建設され、同14年に時計が設置されたという。

うだつを上げた「土蔵」(豊岡市出石町)2014.07.18     F6
下の絵にあるように、03年9月にスケッチ目的で出石を訪ねたことがあり、その時は「宗鏡寺」の門前にある酒蔵だけを描いている。その造り酒屋はうだつ上げた母屋と赤土壁の酒蔵がいかにも印象的で、写真などでよく紹介されている。今回もその酒蔵へ行ってみた。赤土壁の酒蔵の裏側から造り酒屋の敷地内が覗ける場所があり、失礼ながら壁の落ち方などが興味深かったので、門の外から描いてみた。スケッチしていて気付いたのだが、中央にある土蔵にうだつが上がっている。絵では少し分かりにくいが、うだつのある土蔵というのはいかにも珍しい。

出石1(出石町)03・09・14 モンバルキャンソンF8
町のシンボルとなっている時計台の「辰鼓楼」から沢庵和尚ゆかりの寺である「宗鏡寺」へ行く道筋に造り酒屋があって、地酒の小さな瓶を買っていく観光客がけっこう多い。「うだつ」があがっていて、その妻壁が無残なほどに傷んでいるところが、また絵になる。





出石2(出石町)03・09・14 アルシュ36×51cm
その造り酒屋(出石酒造=中易商店)の酒蔵をバックに記念撮影していく人も多い。赤い土壁の大きな蔵は迫力があるが、その質感を出すのに手こずった。

出石焼の小皿にそばを盛った「出石そば」がこの町の名物である。かつてそば屋は10軒ほどだと思っていたが、いつの間にか町中がそば屋だらけになっている。老舗の「永楽蕎麦」はいつ行っても混んでいる。向かい側に専用の待合所ができていた。順番待ちの間に店を1枚。






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