兵庫県

伊丹郷町(伊丹市)

JR伊丹駅の西側、今は伊丹、宮ノ前、中央の町名となっている一帯は以前、伊丹郷町(ごうちょう)と呼ばれた。もともと城下町だったが、それは戦国時代のことで、その後は池田と並ぶ酒どころとして発展し、江戸末期には200を越える銘柄があったという。大手の小西酒造の酒蔵があり、酒造りの町の雰囲気が残っていたが、95年の阪神淡路大震災で町全体が壊滅的被害を受けたという。ページの下の方2枚は震災前。

「長寿蔵」(伊丹市中央3丁目)2014.07.26     36×51p
7月度の悠彩会スケッチ会が伊丹市の中心部で開かれた。すっかり新しい街に生まれ変わっている中で小西酒造が昔の酒蔵を活用してオープンしたレストラン「長寿蔵」が存在感を示している。今回のスケッチ会は長寿蔵を描いた上で、そのレストランで豪華ランチにしようという企画だった。とても日差しが強いのでとにかく日陰優先と、長寿蔵の前の歩道の並木の木陰に座った。もう5メートルか10メートル後ろに座ると建物が画面へうまく収まったが、そこには日陰がなかった。

旧「岡田家」と「石橋家」(伊丹市宮ノ前2丁目)2014.07.26     F6
「長寿蔵」のすぐ北側に、旧岡田家住宅と旧石橋家住宅が並んでいる。昼食までにもう1枚描こうとその前まで行ったが,、向かい側には日陰がまったくない。何とか電柱の陰に身をひそめることができたが、描いているうちにその影が動くので、何回か椅子を移動させながら描いた。立派な建物が2軒並んでいるが、岡田家の方は阪神淡路大震災後に解体修理された建物であり、石橋家の方は近くの神社の前にあったものをここへ移築したという。いわば後で作られた町並みなのだが、都会地で古い町並みらしいものを描こうと思えばこういう対象も選ばざるを得ない。

旧「岡田家」と「石橋家」A(伊丹市宮ノ前2丁目)2014.07.26     F6
長寿蔵レストランで豪華ランチ後、ほとんどのメンバーはそのまま帰ったようだが、せっかく遠くまで来たのでもう1枚描くことにした。再び旧岡田家住宅と旧石橋家住宅が並ぶ場所へ行ってみると、ビルの日陰から描けることが分かったが、残念ながら以前描いた絵(↓)と同じアングルである。「まあいいか」とスケッチブックを広げたが、そよ風が吹いていかにも快適。遠くから祭囃子が風に乗って聞こえてくる。夏祭りなのかなあと想像しながらスケッチを続けていると、浴衣姿の2人がやってきた(→)。描き込みたかったがうまくいかなかった。





伊丹郷町3(伊丹市)05.03.26 36×51cm
重要文化財の旧岡田家(元酒造業=手前)と県指定文化財の旧石橋家(元両替屋)が並ぶ宮ノ前2丁目。93年にこのあたりでスケッチしており、その後どうなったか気になっていた。両方とも震災で大きな被害を受け、その後修復され、市の観光施設として公開されていた。

震災で町全体が新しくなり、ようやく見つけた古い家はこの1軒だけだった。伊丹1丁目で。











伊丹郷町4(伊丹市)05.03.26 F3

この絵を描いた場所は伊丹1丁目。「白雪」で知られる小西酒造の本社はすぐそばの中央3丁目にある。確かめてはいないのだが、いかにも貫禄のあるこの建物を旧小西酒造とメモしている。
(05年、この場所はマンションに替わっていた)





伊丹郷町1(伊丹市)93・04・18 F8

93年当時、駅前再開発が進む中で重文指定の旧岡田家の建物が取り残されたような姿を見せていた。(05年、あたりの様子は一変、すっきりとしたきれいな町並みに整備されていた=一番上の絵)







伊丹郷町2(伊丹市)93・04・18 F8

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