兵庫県

阪神尼崎駅付近(尼崎市)

尼崎の玄関口である阪神電車・尼崎駅の南にお寺が集中し寺町と呼ばれている町がある。江戸時代の初め、1617年(元和3年)に尼崎城をつくるとき、散在していた寺を1カ所に集めたのが始まりで、現在11カ寺が軒を連ねている。駅のすぐ東、城跡のそばには「阪神電鉄旧尼崎発電所」の建物があった。また2019年3月には尼崎城趾公園内に尼崎城も復元された。

   
  「街にお城がやって来た」(尼崎市北城内)2019.05.19    F6  
  5月度の悠彩会スケッチ会は3月末にお城が完成した尼崎で開かれた。尼崎城は大坂夏の陣の後、1617年に大坂城の西の守りとして築城され、明治初めに廃城となった。大手家電量販店の創業者が「創業の地に恩返しがしたい」と資金を出して、お城を再建し、尼崎市に寄贈した。ただし昔の本丸跡には小学校などが建っているため、300メートルほど離れた西三の丸跡地(尼崎城址公園内)に建てられた。せっかくだからと、お城を描きに行ったが、綺麗すぎて単独ではどうも描く気にならない。そこでちょっと古い町家と組み合わせ、”街中に突然できたお城”という感じで描いてみた。  
 
 
   
  阪神尼崎駅前(尼崎市御園町)2019.05.19    F6  
  悠彩会スケッチ会の続き。集合場所の阪神尼崎駅西口を出たところから阪神電車の旧尼崎発電所の煉瓦造りの建物が見えた。一緒にいたひまつぶしさんが「ここはいいなあ」とおっしゃる。確かに面白い構図なので、2枚目に選んだ。駅出口前のバスターミナルのそばなので、スケッチするにはいかにも晴れがましい。しかし、描き始めたら通り過ぎる多くの人たちから完全に無視され、助かった。ひまつぶしさんは最初の1枚にこの場所を選ばれたらしい。  
 
 
   
  阪神尼崎駅西のガード(尼崎市神田中通)2019.05.19    F6  
  悠彩会スケッチ会の続き。尼崎中央商店街の食堂で昼食後、近くをぶらついていて、尼崎駅西側のガードが目に止まった。ひまつぶしさんやNさんがすでに描いておられた。私はとくにガードの手前にある黄色いテントの「大衆理容」の店を描きたいと思った。スケッチしていると店の女主人が「何を描いているのかと思って・・・」と言いながら覗きにやって来た。「大衆という言葉と1200円という料金が気に入りましてね」と言うと「1200円よりです」との応え。よく見れば「〜」マークが付いていた。ガードの向こうには中央商店街の賑わいが感じられ、これぞ尼崎といった風景のような気がしてきた。  
 
 
   
  本興寺(尼崎市開明町)16.10.06     F6  
  この日は浪漫会のスケッチ会が尼崎市の寺町で開かれた。当たり前とはいえお寺しか描く材料がない。普段はあまりお寺そのものは描かないが、「この際」と思い「本興寺」の裏門を入ったところから見える建物群を描いた。本興寺は法華宗4大本山の一つだそうで、尼崎寺町でも一番規模が大きい。ネットで調べたら、3棟が並ぶ大きな屋根は手前から、書院・客殿、方丈、本堂で、方丈が江戸時代初期の建築で需要文化財に指定されている。座った場所の右手には立派な三重塔があったが、1974年建立の鉄筋コンクリート造。彩色がきれいすぎて、ちょっと描く気がしなかった。  
 
 
   
   ユニチカ記念館(尼崎市東本町)16.10.06     F6  
  尼崎市で開かれた浪漫会スケッチ会の2枚目。寺町は3度目なので目先を変えるため、昼食後は少し遠いが東本町のユニチカ記念館まで足を延ばした。ユニチカ記念館は尼崎を代表する近代建築で、1900(明治33)年に尼崎紡績会社の本社事務所として建設された。尼崎紡績は合併などを重ねながら大日本紡績、ニチボーと名前を変え、1969年にユニチカとなっている。2015年度下期放映のNHK朝ドラ「あさが来た」で、尼崎紡績のことも取り上げられたため見学者も増えたそうだ。  
 
 
阪神電鉄旧尼崎発電所(尼崎市北城内)2014.01.23      F6
この日、大阪・上六での飲み会に出席するのを兼ねて、尼崎で開かれている個展を訪問、そのついでに尼崎でスケッチするという欲張りスケジュールを立てた。尼崎といえば与堂さんが描かれた「阪神電鉄旧尼崎発電所」が印象に残っていた。同発電所は1905年(明治38年)に営業を開始した阪神電鉄がその当時から使っていたもので、そのころの電鉄会社は沿線への電力供給事業も行っていた。尼崎駅のすぐ東側にある発電所跡へ行ってみると「与堂さんはここから描かれたな」と思える場所はすぐに分かったが、日当たりを優先して別のポイントを選んで座った。

尼崎寺町B(尼崎市寺町)2014.01.23      F6
「尼信会館」で開かれている個展を訪問後、そのすぐ近くの「寺町」でもう1枚描くことにした。たくさんのお寺が並んでいるが、なかでも規模が大きそうな「長遠寺」の前へ行くと国の重要文化財だという多宝塔が塀の上から覗いている。遠くにマンションが見え、寺の向かい側には木造アパートがある。「ここなら町なかにある寺町の雰囲気がある」と思い、陽だまりを選んでスケッチブックを広げた。

尼崎寺町@(尼崎市)05.09.18 36×51cm
05年9月、寺町を会場に悠彩会のスケッチ会が開かれた。お寺を描いたメンバーが多かったが、どうもお寺を描く気がしないので、1枚目はお寺を背にして生活感あふれる普通の町並みを描いた。どうでもよいことだが、目の前にあった裸電球の街灯が気に入り、ここから描き始めた。

尼崎寺町A(尼崎市)05.09.18 A3
せっかく寺町に来たのだからと、それらしい風景も描こうかと思った。ところがスケッチブックに紙が残っていないことに気がついた。仲間のMさんに提供してもらって何とか仕上げた。スケッチしているとき正面の道を「だんじり祭」の行列が通り過ぎ、描き込みたかったが、うまくいかなかった。

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