兵庫県

平福(佐用町)

平福は佐用川沿いに並んだ土蔵群が印象的で、町並み紹介本には必ずといっていいほど登場する。しかし表側から見た町並みはそれほど充実したものではない。いわば「バックシャン」である。しかも白漆喰壁がはげ落ちて土壁が出ている。化粧がはげたともいえるが、これが絵になる。

平福2(佐用町)04・04・25 アルシュ36×51cm
絵仲間のMさんと「平福」へ出かけた。やがて姫路から来たという水墨画教室のグループの皆さんが周辺に陣取り、まるでスケッチ会の雰囲気である。土壁の土蔵が鏡のような水面に映っている。「いかにも平福らしい」と描き始めたが、色を着ける段階になって風が出た。水面にはさざ波が立ち、何も見えなくなった。少し慌てた。

平福3(佐用町)04・04・25 キャンソンF8
旧街道に面した町なかも一枚描きたくなり、道端でスケッチブックを広げた。時おり観光客らしい人たちが通るが、全体にひっそりしている。

平福1(佐用町)92・10・17 F8
このころは智頭急行はまだ工事中(工事中というより工事が止まっていた印象)で、今の平福駅のある場所は線路置き場になっていた。道の駅ももちろんなかった。佐用川の水量が少なかったため、河原に下りて、水の流れを大きな筆洗にして描いた。

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