滋賀県

石寺(近江八幡市安土町)

石寺の集落は標高433メートルの繖山(きぬがさやま)の麓にある。山頂近くに西国三十二番札所の観音正寺があり、その表参道が集落を貫いている。目の前を国道8号線と東海道新幹線が通っている。また山上には佐々木六角氏の居城だった観音寺城の城址もある。

観音正寺参道@(近江八幡市安土町石寺)    2015.09.18     36×51p
秋の大型連休が始まると高速道路が混みそうなので、その前に滋賀県へ出かけた。近江八幡市安土町にお住いのAさんがたびたび描かれている石寺という集落を選んでみた。観音正寺の表参道沿いの家並みが絵になることをAさんのホームページで知った。今は車でお寺の近くまで到着できるそうだが、かつてはこの急坂の参道が参詣者でとてもにぎわったという。頭の上でうまそうに柿が熟れていたためこの場所に座った。

観音正寺参道A(近江八幡市安土町石寺)    2015.09.18     28×46cm
観音正寺の表参道で1枚描いた後、少し坂を下りると視界がぐっと広がり、しかも日陰で描けるポイントがあった。横長のスケッチブックを取り出し、2枚目を描いた。田んぼの向こうを東海道新幹線が通っている。上り下りを合わせると極めて頻繁に通り過ぎるので、車両を描き込んでみた。

栄順寺門前(近江八幡市安土町石寺)    2015.09.18     F6 
石寺に石の庭園と紅葉で知られる「教林坊」という古刹があるらしく、集落のあちらこちらに案内標識が出ている。と言って紅葉にはまだ早いし、お寺そのものを描く気もないが、教林坊の方向へ歩きながらスケッチポイントを探した。教林坊の手前に「栄順寺」というお寺があり、その入り口近くの風景が気に入った。少しカーブした小道に沿って元茅葺屋根の建物や土蔵が並んでいて、いかにも滋賀の豊かな集落といった雰囲気である。

観音正寺参道B(近江八幡市安土町石寺)    2015.09.18     F6
この日は石寺の入り口にある「石寺楽市」という地元産品の販売店に車を止めさせてもらった。その前から観音正寺の参道が始まっている。この絵はすぐそばの石灯籠がある場所で描いた。安土町のAさんがこの場所で描かれた絵を見て、石寺への訪問を思い立った。灯篭前の標識にはお寺まで12丁とあるが、参道は次第に急坂となり1200段の石段を上らねばならないという。挑戦する勇気はない。ちなみに二度と上りたくない四国の金毘羅さんの石段は1368段だそうである。

石寺と繖山(きぬがさやま)(滋賀県近江八幡市安土町石寺)    2015.09.18    36×51p
滋賀県は稲刈り時期が早い。この日、石寺集落の周囲の田んぼの半分ほどはすでに稲刈りが終わっていた。最後に黄色の田んぼと石寺の家並みの組み合わせを描きたいと思い、まだ稲が残っている場所を探して、田んぼ道に座った。正面の山が繖山で、山の上の左の方にそれらしく見えるのが観音正寺である。

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