大阪府

太平寺(柏原市)

「河内を描く美術展」の出展作を観て、柏原市の太平寺地区へ出かけた。太平寺地区は「智識寺」という巨大な古代寺院があったとても歴史のある場所だそうである。また、古くからのブドウの産地で、1914(大正3)年創業というワイナリーの工場も地区内にある。

   
  太平寺の俯瞰B(柏原市)2020.03.21     F6  
  コロナウイルス禍により予定していた悠彩会スケッチ会はいったん中止の判断をした。ところが、計画当日は天候が良く、気温も4月並みという見通しになったので、急遽、希望者だけの参加により任意の形で実施した。結果は4人参加と寂しかったが、空気の綺麗な場所だけにウイルス感染の心配もなく、快適にスケッチした。コロナウイルス禍でいろんな催しが中止になっており、オリンピックさえ延期となった。そんな大きな話と比べるなと叱られそうだが、主催者として、いったん企画したイベントを中止する悩み・迷いは共通かも知れない。  
 
 
   
  太平寺の坂道A(柏原市)2020.03.21     F6  
  太平寺の俯瞰を描いた後、ブドウ畑の間の石段を下って、先ほど絵の中心に描いた民家の門の前に来た。2011年の冬、同じポイントでずいぶん寒い思いをしながら描いたことがあるが、この日は最高気温18度とか。陽だまりの中で昼食のおにぎりをかじりながら2枚目を描いた。地区内の坂道はとても狭くて急坂だが、この場所までは自動車が上って来られる。  
 
 
   
  太平寺の坂道B(柏原市)2020.03.21     F6   
  太平寺の集落を貫く坂道の一番下まで降りた。坂道の正面に小さなお堂が見え、スケッチポイントとして人気がある。参加された皆さんも周辺まで坂を下ってきて、それぞれ好みのアングルで描いておられる。皆さんの絵がほぼ仕上がったところで、Nさんが「ワインの試飲はどう」と言われる。太平寺は古くからのブドウとワインの産地で、この場所から至近距離に、大正3年創業という「カタシモワイナリー」があり、「ワインバーで午後4時まで試飲できる」という。時計を見ると午後3時。コロナウイルス禍で濃厚接触はまずいが、こういう話はすぐにまとまる。ボトルを買ったところ、店の人が「離れへどうぞ」と案内してくれた。靴を脱いで上がる和室に置かれた大きなテーブルに、4人が間隔を取って座わった。これなら濃厚接触の心配もなし。  
 
 
   
  太平寺の俯瞰A(柏原市)2020.02.13     36×51p  
  20年3月に悠彩会のスケッチ会幹事が回ってきたので、柏原市の太平寺地区に下見に出かけた。太平寺には過去に3回スケッチに行っており、土地勘はあるのだが、スケッチポイントを再確認するとともに、昼食場所の確認と予約が目的であった。レストランへ行く前に、とりあえず集落を見下ろすポイントから1枚描いた。手前の家並みは面白いのだが、その向こうの街並みを描くのはいかにも面倒。遠くに「あべのハルカス」も見えた。(残念ながら、新型コロナウィルスへの感染が懸念される事態となったため、3月上旬の段階でスケッチ会は中止とした)  
 
 
   
  太平寺の坂道@(柏原市)2020.02.13     F6  
  悠彩会スケッチ会下見の続き。スケッチ会場としての太平寺地区の欠点は近くに適当な食堂がないこと。ネットで調べたレストランはずいぶん遠く、往復に少し疲れた。午前中は薄曇りだったが午後は良く晴れて気温も上がった。この地区のスケッチポイントとしての魅力は変化のある坂道に沿って古い民家が軒を連ねていること。坂の上に「観音寺」というお寺が見える場所を選んで1枚描いた。抜け道があるのか、大勢の小学生が坂の上からぞろぞろ帰ってきた。  
 
 
   
  太平寺のブドウ畑柏原市)2017.08.14    36×51p  
  曇りで最高気温はそう上がらないという天気予報を受けてスケッチに出かけることにし、柏原市太平寺に、少なくとも午前中は深い日陰になるポイントがあることを思い出した。集落の高いところを走る道路の南側が山になっていて涼しい日陰で描くことができ、目の前には魅力的な俯瞰風景と、まあ理想的なポイントである。緑色のなだらかなところはすべてブドウ畑で、正面の山腹に「柏原ワイン」の大きな看板が立っている。タイトルを考えていてフランス在住の野窓さんのことを思い出し、「太平寺のブドウ畑」とした。  
 
 
   
  太平寺の小路@(柏原市)2017.08.14    F6  
  2枚目以降は俯瞰していた家並みの中に下りて描くことにした。時々陽が差すので、日陰を優先して「石神社」という神社の近くの小路に座った。幸い道幅が狭いので、スケッチ中一度も車が来なかった。電柱のある交差点を左折すると、100年を超える歴史のあるワイン工場がある。  
 
 
   
   太平寺の小路A(柏原市)2017.08.14    F6  
  集落の中へ下っていくとき「ここはいいなあ」と思ったが、ちょうど陽が出ていて暑そうなので後回しにした。「石神社」付近の日陰で1枚描いた後、日が陰ってきたのを見計らって同じ場所に戻った。左手前の板塀から描き始め、ややこしい構図を楽しみながら描いたが、表現が難しい下り坂のため、少々手こずった。  
 
 
   
  太平寺の小路B(柏原市)2017.08.14    F6  
  この日は集落の高い場所を横切る道路に車を止めていたので、帰りの上り坂でもう1枚描くことにした。坂道の曲がり角に小さな祠が建っており、太平寺の人気スケッチポイント。同じアングルで描かれた絵を何回も見たことがある。  
 
 
太平寺の俯瞰@(柏原市)2011.01.12     36×51cm      ●11河内展
八尾市で開催中の大先輩の個展を訪問したあと、柏原市太平寺まで足を延ばした。太平寺へは2回目だが、今回は日当たりの良い場所で描きたいと思い、集落の一番上を横切る道路へ出た。ところが近所にお住まいのご婦人によると「ここは風の通り道」だそうで、風が強くてとても寒い。「正面の右側には六甲山、左側には淡路島が見え、これほど見晴らしの良い場所はありませんよ」とその奥さん。この正面はちょうど堺市あたりだが、この日は遠くの山は見えず、ぼんやりとした家並みがとこまでも続くばかりだった。

太平寺B(柏原市)2011.01.12     F6
風が強い場所で上の絵を描いたら十分に体が冷えたので、もう帰ろうと坂道を下り始めた。ところがその坂道で、私と同年輩と思える男性がスケッチブックを広げておられる。こんな寒い日にもの好きなことと思い、声を掛けると「カメラは長いことやっているが、スケッチは初めて」といわれる。「それでは私ももう1枚」とこれまたもの好きなことである。そのうちに右側のお宅やその下のお宅の人も出てこられ、井戸端会議の雰囲気。路上で熱いお茶までごちそうになった。

太平寺@(柏原市)09.09.18    36×41cm
太平寺はブドウの産地で、スケッチした場所の後方にはワイン工場もあった。ところでこの絵は36×41cmというサイズ。普段使っている36×51cmの紙に左側から描いていき、必要な部分だけ描いて、右側を白紙で残した結果である。先日、与堂さんとご一緒し、こうした紙の使い方をしておられるのを見て「目からうろこ」であった。

太平寺A(柏原市)09.09.18    F6    
ほぼ同じ場所で2枚目を描いた。近所の人によると、ここはとても人気のあるスケッチポイントで、先日も10人近い人が描いていたという。どこかのグループがここでスケッチ会を開いたのだろうが、道幅がとても狭いだけに、多分、近所迷惑だったという意味であろう。

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