奈良県

大和高田(大和高田市)

大和高田市の市内中心部を「横大路」という道が東西に貫いている。横大路というのは日本書紀に「難波より京(飛鳥)に至る大道を置く」と記録されている道筋をたどる古代の道。その後、この道は長谷寺への参詣道に当たることから「長谷街道」または「初瀬街道」と呼ばれ、さらには伊勢神宮へ通じる「伊勢街道」として、江戸時代には「おかげ参り」の旅人で賑わった。今は、その道筋がおそらく往時に道幅のままで国道166号線となっており、狭い道ながら車がひっきりなしに通り抜ける。

大和高田3(奈良県大和高田市)05.09.13 36×51cm
久しぶりに大和高田へ行ったが、横大路沿いには、まだまだ古い町並みが残っていた。古代から近世を経て現代まで同じ道筋が残っているというのも信じられないことである。もちろん現存の建物は江戸時代以降に建てられたものだろうが、道端でスケッチしていると、何となく長い歴史を感じる。

横大路沿いにはおかげ参りで賑わったころに整備された石灯篭が各所にある。その道筋に、失礼ながらちょっと古びた路地があった。





大和高田4(大和高田市)
05.09.13 F3

横大路の沿った家並みを94年にスケッチしたものである。一番上にある05年のスケッチとほぼ同じ場所を反対側から描いたもの。その間、10年以上経過しているが、まったく同じ町並みが残っていた。




大和高田1(大和高田市)94・08・27 
F8

横大路に近い永和町にある古い民家を94年に描いたもの。当時、繁華街でスケッチしたとの記憶があるが、05年に同じ場所に行くと、周囲は空き地だらけになっていた。





大和高田2(大和高田)94・08・27 F8

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