奈良県

薬師寺、唐招提寺あたり(奈良市西ノ京町、五条町)

奈良のお寺の塔で一番魅力的なのが薬師寺の東塔である。東塔は裳階を付けた三重塔で、1300年前の藥師寺創建当時から唯一現存している建造物だが、2009(平成21)年から解体修理に入り、2020年春に工事が終る。藥師寺の北には唐招提寺があり、新しい建物が多い藥師寺に比べ、国宝や重文の建物がひしめく唐招提寺の方が落ち着いた雰囲気で好ましかった。
 
 
   
  藥師寺三重塔(奈良市西ノ京町)2020.11.05   36×51p  
  悠彩会展が終りホッとしたところで、浪漫会のスケッチ会が開かれた。新型コロナウイルス禍で浪漫会の行事は今年すべて中止となり、スケッチ会も今年始めての開催。好天とあって10人が参加、旧交を温めた。スケッチ会の狙い目は昨年暮れに修復工事が終わった東塔だが、境内でのスケッチは禁止だから、みんなで揃って境内南側のたんぼ道へ行った。私自身は昨年来、何回か描いているため、少しでも違いのあるアングルを求めたが、結局、似たり寄ったり。村木さんと並んで2本の三重塔を描いた。  
 
 
   
  藥師寺付近(奈良市西ノ京町)2020.11.05   F6   
  浪漫会スケッチ会の続き。藥師寺あたりのスケッチはどうしても塔が主役になってしまう。気分を変える意味で2枚目は藥師寺の東側にある西ノ京町の家並みの中に入っていき、路地を描いた。後で皆で合評会をしたところ、村岡さんがまったく同じアングルで描いておられた。  
 
 
   
  藥師寺・東塔(奈良市西ノ京町)2020.11.05   F4  
  浪漫会スケッチ会の続き。再び藥師寺の三重塔が正面に見えるところまで戻ってくると皆さんはまだ同じ場所で描いておられる。私も東塔に焦点を当ててもう1枚描くことにした。この日は良い天気で、スケッチしていて余りにも気持ちがよさそうなので、スケッチ後、田圃の畦の草むらで大の字になって日向ぼこ。  
 
 
   
  藥師寺南門外から(奈良市西ノ京町)2020.11.05   F4  
  薬餌寺境内でのスケッチは禁止である。しかし今年春に訪問したとき、南門の建物越しに東塔が見えるのが分かった。さっそくスケッチを始めたところ、門の中のキップ売り場の人がわざわざ出てきて「ここも藥師寺の敷地だからスケッチは禁止」と言われた。今回再び南門へ行くと、少し斜めの場所にある自転車置き場に座ればキップ売り場からスケッチ姿が見えない。というわけで、目を盗みながら描いた。  
 
 
   
  初夏の藥師寺@(奈良市西ノ京町)2020.06.05    36×51p   
  6月に入り、田植えの時期が遅い自宅近くで田植えが始まった。「そうだ、藥師寺周辺の田んぼでも田植えが始まっているに違いない」と、田んぼに塔が映り込む風景を狙って藥師寺へ出かけた。藥師寺駐車場に車を止め、その北側のたんぼ道を歩くと、農作業小屋の日陰があり、東塔と西塔の二つが見え、しかも手前の田んぼには稲を植えたばかりという3拍子揃った理想的なポイントが見つかった。  
 
 
   
  初夏の藥師寺A(奈良市西ノ京町)2020.06.05    F6      
  藥師寺の塔と田んぼの組み合わせの2枚目を描こうと周辺を歩き回った。しかしこの日は日射しがとても強く、日陰でないとつらそうなことが分かった。そのため再び元の場所へ戻り、少し後ろの木陰に陣取った。残念ながらこの場所からは東塔だけしか見えず、しかも目の前の田んぼは休耕田で雑草が生い茂っている。仕方なく田んぼ1枚を田植えをした姿にして描いた。  
 
 
   
  初夏の藥師寺B(奈良市六条)2020.06.05    F6  
  午後になり陽が西へ回ったので、近鉄電車の線路を渡り藥師寺の西側へ移動した。西側からだと西塔しか見えないが、おあつらえ向きの日陰があり、しかも目の前が田んぼなので、この日の趣旨に合うと、もう1枚描いた。  
 
 
   
  藥師寺・西塔と「木守柿」(奈良市六条)2020.01.07   
  2020年の”描き初め”の続き。藥師寺の西側を走る近鉄電車の線路よりさらに西側から、民家の屋根越しに見える西塔を描いた。ただしこれも4日の初詣の時の写真から。ペン画にしてみようかなとも思ったが、やっぱり鉛筆と水彩絵の具の方が楽しい。手前の柿の木は、実際にはただ枝ばっかりだったが、「木守柿」を描き込んでおいた。  
 
 
   
  唐招提寺(奈良市五条町)2020.01.06     F6(Gペン、コミックインキ)   
  2020年の1月4日にFさんと奈良・西ノ京の藥師寺と唐招提寺へ初詣に行った。藥師寺へは暮れにスケッチに行ったばかりだが、境内でのスケッチ禁止ということなので、境内に入らなかったし、唐招提寺へは文字通り初めて。藥師寺では解体修理がほぼ終わった東塔を間近に見たし、ありがたい法話も聞いた。その後、鑑真和上が建立した唐招提寺へ行った。スケッチブックは持って行かなかったが、出口で確かめるとこちらは境内でのスケッチも可とのことだった。今年の描き初めに、ペン画を試みた。もちろん写真から描いたが、左が金堂、その向こうが講堂、その右が鼓楼で、いずれも国宝。さらにその右側は重文の礼堂。  

   
  藥師寺の遠望(奈良市西ノ京町)19.12.23   36×51p  
  2009(平成21)年から解体修理をしていた奈良・藥師寺の東塔の工事がほぼ終わり、素屋根が取り外されたらしいので、行ってみた。お寺の東側を流れる秋篠川沿いの遊歩道へ行くと8年ぶりに姿を見せた東塔の姿は流石に魅力的である。冬の日射しを背中から受けながら気持ち良くスケッチした。  
 
 
   
  秋篠川畔から藥師寺(奈良市西ノ京町)19.12.23  
  秋篠川の土手の上には自転車道が整備されている。ずいぶん昔、秋篠川の土手の上から川の流れと藥師寺の遠望を組み合わせた絵を描いたような記憶があり、自転車道を少し北へ歩いてみた。川沿いに重厚な民家が並んでいて、その屋根越しに藥師寺の東塔と西塔の一部が見える。これも奈良らしい風景かなと思い、スケッチブックを広げた。  
 
 
   
  藥師寺・東塔(奈良市西ノ京町)19.12.23  
  京都や奈良の有名寺院では境内でのスケッチを禁止しているところが多い。藥師寺もどうせスケッチ禁止だろうと思い、最初から境内でのスケッチはあきらめていた。ところが境内南側の塀沿いの狭い道を歩いていて、東塔が土塀の上から大きく姿を見せている場所を見つけた。しかも土塀はいかにも歴史を物語るように崩れ、スケッチ心をくすぐるではないか。もっとも、手前の杉の木はもう少し葉を茂らせて邪魔をしているが、こちらはカメラではないから、たいした問題ではない。因みに後ほど境内への入り口を覗いてみると、禁止事項として「三脚での写真撮影、スケッチ・・・」と大きく書き出してあった。  
 
 
   
  師走の藥師寺(奈良市西ノ京町)19.12.23  
 
藥師寺南側のたんぼ道へ行くと藥師寺の西塔と東塔が間近に見える。西塔は戦国時代に兵火によって焼失しそのままになっていたものを、1981(昭和56)年に450年ぶりに再建、朱色と緑が目立つ華やかな彩色になっている。東塔の方は2009(平成21)年から解体修理が行われたが、彩色を含め地味な雰囲気は以前のままである。この東塔の修理完成を記念して「鐘楼の釣り鐘が奈良時代のもの(国の重文)に架け替えられ、来年5月までその鐘が使われる」という新聞記事を読んだ。このため大晦日にこの付近へ出かければ、奈良時代の音色の除夜の鐘が聞けそうである。

                            
(←の写真は讀賣新聞ニュースサイトより)
 
 
 
   
  大池畔から藥師寺(奈良市七条2丁目)19.12.23    F6  
  西ノ京駅から東へ15分ほど歩いたところに大池(勝間田池)があり、池畔から若草山をバックにした藥師寺の眺めは、奈良を代表する風景として写真などでよく取り上げられている。折角だから行ってみると、確かに池の西岸沿いの道路から藥師寺の塔がよく見える。しかし、やはり望遠レンズ向きの風景で、スケッチには少し遠すぎる。しかも道路に沿って頑丈なフェンスがあるので、山側の奈良医療センター敷地の擁壁を上って高さを稼ぎ、スケッチブックを広げた。水面では多くの水鳥が遊んでいた。  
 
 
薬師寺あたり3(奈良市西ノ京町)      F5程度
下のどちらかの絵を描いた時、描き損じてボツにしていたものが出てきたので適当に色を付けてみた。肩に力が入っておらず、案外いいかなという気がしてきた。(09.08.15掲載)

薬師寺あたり2(奈良市西ノ京町)06.06.06        36×51cm
水鏡の田んぼを描きに明日香へ行こうと自宅を出たが、また途中で気分が変わって薬師寺へ行った。予想通り東塔が田んぼに映っているが、実は塔の手前の田んぼに、とても不恰好なテント張りの建物が建っていた。写真と違い絵は便利で、その建物を取り除いて描いておいた。田植えにやってきた近所の人に聞くと「薬師寺さんが落ち葉を堆肥にする設備をつくった」そうで、参拝ルートからは目に入らない場所だし「機械はリースなので当分はなくなりそうにない」という。

薬師寺あたり1(奈良市西ノ京町)06.03.27      36×51cm
藥師寺の東塔を近くから眺められる最高のスケッチポイントがあると聞いて行ってみた。寺の南側にある大きな駐車場の北側の小道で、車が通らず、木陰もある。門前に並ぶ家並みの向こうに東塔が秀麗な姿を見せている。この季節は手前の田んぼが殺風景だが、田植え時や黄金色に色づいた時はもっといいかもしれない。

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