奈良県

丹波市(天理市)

昭和29年に市制が敷かれるまで、現在の天理市の中心は丹波市(たんばいち)だった。以前は国鉄の駅も丹波市駅といった。古くから上街道(上ツ道)沿いに市場町として栄え、中心部にはその伝統を引き継ぎ、魚を中心とした卸売市場があったという。元は草屋根だった家と虫籠窓を持つ家が交互に並ぶ立体的な町並みが魅力的だった。

丹波市@(天理市)09・01・08  36×51cm    
この日、丹波市の中心部にある市座(いちにいます)神社へ行くと、ちょうど「8日えびす」だそうで、境内は大賑わいである。スケッチするのをちょっとためらったが、めったにない機会と思い、鳥居の前に座った。スケッチしている間、スピーカーから流れる「商売繁盛で、ササ持ってこい」の掛け声を聞き続けた。お陰で今年は十分にご利益がありそうである。

丹波市@(天理市)04・02・20  36×51cm   
スケッチポイントを探しながら町を歩いていくと、道の真ん中に駅のホームの屋根みたいなものが見えてきた。構図が面白いからとりあえず描き始め、集まってきた人に聞くと、この屋根がかつての市場を覆っていた屋根の一部だという。以前はこのアーケード風の屋根がずっと手前まで続き、今は暗渠になったがアーケードに沿って川が流れていたそうだ。

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