奈良県

穴師(桜井市)

「山辺の道」をたどると、歴史に彩られた由緒ありそうな村々が続く。JR巻向駅近くの「穴師」(あなし)もそんな一つ。穴師という変わった地名は鉱山に由来するとか、「あなし」は「あらし」の古語で風神を意味するといった説があるそうで、万葉集にも登場する地名である。山手に穴師坐兵主神社(あなしにいますひょうずじんじゃ)という舌をかみそうな名前の神社があり、境内に天覧相撲発祥の地といわれる相撲神社というのもあるそうだが、行ったことはない。

穴師B(桜井市)07.02.26 36×51cm
「半鐘」が盗まれる−という新聞記事を読んで、火の見櫓のある風景が描きたくなり、穴師を思い出した。最近、火の見櫓がその役目を発揮することはほとんどないと思うが、櫓があるだけで何となしに懐かしい感じがする風景になる。暖冬の暖かい日差しの中で「暑い」思いをしながら描いた。

穴師C(桜井市)07.02.26 F6
穴師に長屋門を構えた大和棟のお宅があって、以前から気になっていた。残念ながら茅葺き屋根ではなく、今風のカバーがかかっているが、味のある建物である。下の@の絵で路地の向こうにチラッと見えているのがこの建物である。

穴師A(桜井市)07.01.19 36×51cm 07・07
穴師では03年にスケッチしたことがあるが、その場所(下の絵)のすぐそばに、たわわに実をつけたハッサクの木が印象的な路地があった。このあたりはミカンの産地らしく村の中に柑橘組合の建物もあった。

穴師の集落内の道は狭いが、立派な民家がひしめいている。結局、路地を描いてしまったが、ほかにも絵になるポイントが多かった。





穴師@(桜井市)03・04・06 F8

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