奈良県

傍示(生駒市高山町)

奈良県最北部の生駒市高山町に傍示(ほうじ)という集落がある。起伏のある地形に構えの立派な家が建ち並んでおり、スケッチポイントが多い。府県境を越えた大阪府交野市にも同じ傍示という集落があり、大和と河内の国境の村である。
 
 
   
  師走の「傍示」(生駒市高山町)19.12.16    36×51p  
  「河内を描く美術展」が終わり、しかも晴天で暖かい一日となった。翌日は天気も崩れるというから、午後になって近場でスケッチする気になった。まだ、山の紅葉が残っているので、生駒市高山町傍示へ行った。陽当たりの良い田んぼの畦に座って描いていたら、いつの間にかその場所まで山の日陰が伸びてきた。午後3時を過ぎると急に気温も下がったため、1枚だけで引き揚げた。  
 
 
   
  傍示の春(生駒市高山町)2019.05.03   36×51p  
  大型連休中に「非日常」を味わおうと、枚方市の山中にある枚方畜産団地へスケッチに出かけたが、そのついで畜産団地から近い生駒市の傍示に立ち寄った。どこか目新しいポイントはないかと集落内をウロウロした結果、ちょっと懐かしい場所へ行き当たった。以前、この場所に素敵な茅葺きの大和造民家があり、何度か描いている(このページに一番下に掲載)。その建物は立派な近代的な住宅に建て替えられているが、その周辺の家々に焦点を当てて描いた。  

   
  傍示の秋(生駒市高山町)16.10.07     F6  
  この日は朝から抜けるような青空。家でぶらぶらしていたら、「こんな日にスケッチ行かないでどうする」とFさんに背中を押された。急いで昼食を済ませ、もう最後と思われる黄色の田んぼを描きに出かけた。行き先にちょっと迷ったが、生駒市の傍示を選んだ。この集落は山の中にあるため稲刈り時期が多少早く、残念ながら目の前の田んぼはすでに裸になっていた。でも、切り株を描くのも面倒なので、稲を復元しておいた。座った場所は生駒市傍示から、同じ名前の交野市傍示へ抜ける山道。あまりにも良い天気に誘い出されたか、年配のハイカーが次々に通り過ぎていった。  
 
 
傍示の冬(生駒市高山町)    2015.02.04       36×51p
茶筅の里・高山でスケッチしているうちに午後3時になり少し寒くなったが、もう1枚欲張ろうと傍示へ行った。傍示には下の絵を描いたお気に入りのポイントがある。この場所にはかなり大きな松と桜の木があり、暑い時にその木陰から描いたが、今回行ってみるとその木が2本とも根元から切り倒されていた。日光が欲しい季節なので木がないのはむしろ好都合だが、立派な木だっただけに何だか惜しいような気もする。スケッチしているうちに山の端に太陽が沈み、冷え込んできた。

傍示・大暑のころ(生駒市)2013.07.22        36×51cm
しばらくスケッチの間隔があいたので、どこか近場に日陰で描ける場所はないかと思いを巡らせた。5月下旬に田植え風景を描きに行った傍示で、田んぼの畔に大きな桜の木があったことを思い出し、また行ってみた。木陰はやはり涼しく、そよ風が吹くとなおさらである。稲が大きく育っており、一面緑色の景色というのも表現が難しかったが、気分良く描けたのは何よりと思った。

傍示・田植えのころ@(生駒市高山町)2013.05.28        F6 
この日、ウロウロした辺りに、京都、大阪、奈良の各府県の境界が集まっており、ちょっと車を走らせるだけで府県境を越えてしまう。京都府の高船で描いた後、奈良県の傍示に移動した。何回もスケッチに来ているが、これまで描いたことのないポイントを選んでスケッチした。比較的海抜のある集落なので田植え時期は早い。田植えの終わった田んぼと重厚な家並みの組み合わせを狙った。

傍示・田植えのころA(生駒市高山町)2013.05.28        F6 
傍示にはとても重厚な建物が多い。この場所はそうした屋根の重なりが面白いし、別の場所を探すのも面倒。田んぼの畔を10メートルほど移動し、ついでに紙も変えてもう1枚描くことにした。2枚目は田んぼより、家並みに重点を置いた。幸い時々パラついていた雨も止み、暑くもなく、快適スケッチとなった。

傍示C(生駒市高山町)2012.05.08        36×51cm
最高のスケッチシーズンを無駄にしないため、細切れ時間を利用して奈良県と大阪府の府県境にある「傍示」へ行った。急斜面に広がる集落だけに、どこでも絵になりそうに思い何回か訪問しているのだが、お気に入りだった大和棟のお宅がなくなり、スケッチポイントが絞り込めなくなった。この日は、以前、描こうかなと思って見送った坂道に座った。

傍示D(生駒市高山町)2012.05.08     F6
家を出たのが遅かったので、1枚描いたらもう夕方の感じだが、最高のスケッチシーズンなのでもう1枚。奈良県生駒市の「傍示」から大阪府交野市の「傍示」へ抜ける道から見える家並みを描いた。

傍示B(生駒市高山町)10.10.01      F6
傍示には下の絵のように魅力的な大和棟のお宅があり、もう一度描いてみるかなとの思いで訪ねた。ところがいつの間にか近代的な建物に建て替えられていた。仕方なく、秋らしさを探して地区内を歩いた結果、立派な長屋門のそばの柿の木が少しだけ色づいていたので、道端に座ってスケッチした。

傍示A(生駒市高山町)07・09・26   36×51cm
いかにも秋らしい晴天にじっとしておれず午後から傍示へ。半分ぐらいの田んぼで稲刈りが終わっている。畦に彼岸花が咲いていたので、アクセントに描き込んでおいた。

傍示@(生駒市高山町)01・10・13      36×51cm
傍示地区に大和棟を上から見下ろせる格好の場所があって、以前にも同じ場所で描いたことがある。この絵を描いている途中で雨が降り出したが、近場の強みで出直して仕上げた。(何年か後に訪ねたら、立派な新築住宅に替わっていた)

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