奈良県

小川(東吉野村)

幕末に王政復古を狙って立ち上がった「天誅組」の最期の地になった東吉野村へ行った。村役場のある小川(旧鷲家口=わしかぐち)にはあちらこちらの町角に隊員戦死地の碑が建っている。140年余りも前のことなのに、ここでは昨日の出来事のように語り継がれているらしい。

小川A(奈良県東吉野村)11.09.09     36×51cm
下の@を描いて以来、7年ぶりにこの地へ来た。以前描いた場所より少し東側に座り、ほぼ同じアングルで描いたが、以前は営業していたのに今は休業しているらしい店も目立ち、町はよりさみしくなった感じがした。

鷲家川より(奈良県東吉野村小川)11.09.09     F6
東吉野村は三重県境から流れてくる高見川が貫流しており、村役場のある小川で北から来た鷲家川と合流している。その川沿いの家並みが面白そうなのでもう1枚描くことにした。合流点の河原へ下りてみると、高見川の方は12号台風による集中豪雨で真っ茶色に濁ったまま、鷲家川の方は清流になっていて、珍しい光景だった。絵に描いたのは鷲家川の方で、背後に濁流が流れていた。

小川@(東吉野村)04・04・07        36×51cm   
村の人に囲まれながら古い町並みを描いた。正面のお宅は「たあめん」という珍しい商品を売っている。聞いてみると吉野葛を練り込んだ太目のそうめんのことだという。買って帰り、翌日食べたが腰があってなかなかうまい。東吉野村は奥が深い。絵を描いたあと、丹生川上神社中社を経て、さらに谷を分け入った大豆生(まめお)というところにある「やはた温泉」で汗を流した。

東吉野村を貫いて流れる高見川はアマゴやアユの絶好の釣り場らしい。村に入ると橋の上や河原に案山子が立っている。「鵜がアマゴやアユを食ってしまうので・・」という。賢い鵜に効き目があるかどうかは知らないが、不思議な光景である。

東吉野村鷲家へ
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