奈良県

千光寺あたり(平群町鳴川)

知り合いの方から「生駒山中にある千光寺というお寺の門前の集落が絵になるよ」と聞いた。行ってみると、「鳴川」という集落で、なるほど急坂に沿って変化のある家並みが続いている。千光寺は役行者が開いたとされる修験場で、大峰山を開く前にここで修行したといい、元山上・千光寺と呼ばれている。

鳴川B(平群町)15.01.19(09.07.13)      F6
寒くてスケッチに出かける気分にならないので自宅でスケッチブックを整理していたら、鉛筆段階のまま放置していた絵が出てきた。09年7月13日に描いたもので、下のAの絵で手前に描いているお宅を反対側の道路(カーブミラーのある所)から眺めたもの。早速色付けした。なぜ途中で放置したのか。09年の更新記録を見ると、翌日の7月14日に恒例の京都・祇園祭のスケッチに出かけて5枚も描いており、その後掲載のタイミングを失ったらしい。

鳴川A(平群町)09・07.13   36×51cm
鳴川での2枚目は集落を見下ろす高台の段々畑から描いた。そこへ登るまでに一汗かいたが、畑全体が日影になっており、涼しい。東を向いて座っているので、手前が生駒山脈、谷の向こうに広がる丘陵のさらに向こうに奈良盆地が広がっているはずである。

鳴川@(平群町)09・07.13   36×51cm
生駒山系には小さな滝のある「行場」がよくあるが、下の絵を描きに出かけた時、鳴川にもこうした行場があり、夏でも涼しいだろうなと目を着けていた。梅雨晴れの蒸し暑い日に出掛けてみると、予想通り。滝のあたりからひんやりした風が流れてくる。近所の人が採れたてのトマトまで差しれてくれた。

千光寺あたり@(平群町鳴川)09.03.16   36×51cm
道端でスケッチしていて、聞こえるのは谷川の音とウグイスの声だけ。まことにのどか。エンジンをうならせて登ってくる車以外に、歩いて登ってくる人もかなりの数である。「どちらまで」と聞くと「山を越えて大阪の枚岡まで」という。どうやら人気のハイキングコースらしい。その人から、山のあちこちに咲いているのはマンサクの花だと教えてもらった。

千光寺あたりA(平群町鳴川)09.03.16   36×51cm
千光寺はユースホステルを兼営している。そうした建物が並ぶ様子が案外面白いと思い、日当たりのよい門前でもう1枚描いた。建物はしっかり描いたが、バックの早春の山は表現しにくい。おまけに逆光で、何が何だか分からないので、適当にごまかした。もう少しして木の葉が茂れば、建物も見えなくなり、この景色もずいぶん感じが変わると思う。

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