奈良県

岡(明日香村)

明日香村役場のあるあたりは岡という集落である。ここから山へ登ると有名な岡寺がある。岡寺があるから岡という村になったのではなく、岡にあるから岡寺なのだそうで、龍蓋寺というのが岡寺の正式名という。岡寺前バス停のあるあたりに明日香の歴史を感じさせる重厚な家並みがある。

   
  「岡寺前」バス停付近(明日香村岡)21.09.10   F6      
  暑さと長雨の影響もあって、2ヵ月近くもスケッチ間隔が空いてしまった。2003年にホームページを開設してからこれほど長い間、更新が途絶えたことがない。何人かから「体調は大丈夫か」とのメールをいただく始末。長雨も止んだし暑さもピークを越えたようなので、思い立ってスケッチに出かけた。どこへ行こうか悩んだ末、明日香村を選び、1枚目に「岡寺前」バス停付近の町並みを描いた。明日香へ行った回数は数えられないが、明日香で最初に描いたのが、この町並みである。  
 
 
   
  「岡寺前」バス停付近A(奈良県明日香村岡)21.09.10   36×51p   
  午後になると日陰が道路の反対側に移動する。昼食後、道路の渡って反対側(東側)の家並みを描いた。「カフェ・ことだま」という喫茶点を営んでいる古民家の赤い暖簾がアクセントになっている。  
 
 
   
   伝飛鳥板蓋宮跡あたり(明日香村岡)16.05.18      36×51p  
  入谷へ行った帰り、かねて気になっていた岡寺の下を通る自動車道からの俯瞰を描いた。画面の右上に飛鳥板蓋宮跡と伝えられる遺跡がある。かつて明日香に都が置かれていたころの中心地である。正面から照りつける太陽をまともに受けて、暑さとの戦いとなった。田んぼでは田植えの準備が進んでいたが、水が張ってあればもっと魅力的な風景になると思った。(いつものコピー&スキャン方式だと遠くの山がかすんでしまったので、写真からの画像を使った)  
 
 
岡D(明日香村)10.04.04   F6
明日香宿泊スケッチの2日目、岡集落の裏道で見つけた風景を描いた。暑いほどの気候だったので、日影で水の流れの音を聞きながらのスケッチもなかなか快適だった。

岡寺前バス停付近(明日香村)10.04.03       36×51cm
悠彩会スケッチ会で、春爛漫の土曜日に明日香で1泊するという初めての経験をした。幹事のMさんは2年越しで宿の確保に挑んだ。石舞台古墳前に集合。周囲はどちらを向いても桜が満開である。幹事の意図を汲めば桜を描くべきだろうが、どうも気が進まない。町並みを描きたいというNさんを誘って、何回も描いたことのある岡寺前バス停付近で1枚目を描いた。「飛鳥藍染織館」の前に椅子を置かせてもらったお礼に看板を丁寧に描いておいた。

岡C(明日香村)08.01.30 36×51cm
「晴れ時々曇り、最高気温10度」という天気予報に誘われて明日香へ行ったが、空はどんよりと曇ったまま。前回ここで描いた時(岡B)には必死で日陰を探したのを思い出す。明日香の人たちはスケッチする人には愛想がよいが、「寒いのに細かく描いて・・・」「道のこちら側は西日は当たりませんよ」など、いわば哀れみの声をかけていった。

岡B(明日香村)07.07.05 36×51cm
岡の家並みは明日香でも一番気に入っている。ただし、これまでは左側(西側)の家並みしか描いたことがなく、初めて東側の家々を描いてみた。右手前の店は「芋きんつば」を売っており、その向こうの店は「陀羅尼助」と書いた黄色い旗を掲げている。この日、約束もしていないのに、この絵の正面あたりの道でひまつぶしさんにばったり出会った。彼は芋きんつばの店を正面から描いておられた。芋きんつばの店ではなく飛鳥藍染織館というのが正式らしい。

岡A(明日香村)06.10.04 36×51cm
この場所の家並みが気に入っていて、下の絵も含め3回目のスケッチである。ほぼ完成した絵が何か寂しくて物足りないなと思っていたときに、柴犬をつれた感じのいい女の人が通りかかった。慌てて消しゴムを使い、その人の後ろ姿を描き込んだ。

岡@(明日香村)93・12・05 F8
古い町並みの探索を目的に明日香を訪れる人は少ないと思うが、私が明日香で最初に注目したのがこの場所。観光案内所の入り口に陣取っての晴れがましいスケッチである。岡寺にはまだお参りしたことがない。

明日香村・岡寺参道へ
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