奈良県

細川、上(かむら)(明日香村)

明日香・石舞台古墳から東へ、談山神社のある桜井市多武峰(とうのみね)へ抜ける峠道沿いに「細川」と「上」という集落がある。上の方は難読地名で「かむら」と読む。09年12月に開通した快適な県道が二つの集落を貫いている。同じ明日香なのにこのあたりでは観光客の姿をまったく見かけない。

   
  上(かむら)の秋B(明日香村、2020.09.21   F6   
  上居で1枚描いた後、さらに高台にある上へ移動した。木陰で昼食済ませ、ベストポイントと思われる棚田の畦へ。しかし、本命のポイントは柵があって入れないので、休耕田と土手をよじ登ったりしながら別スケッチポイントを捜した。  
 
 
   
  上(かむら)の民家(奈良県明日香村)   2020.09.21.F6  
  上(かむら)の田んぼの畦で秋景色を描いた後、土手をよじ登って上の集落の中へ入った。ふと見ると、奈良らしい特徴のある民家があったので、道路に座って1枚描いた。  
 
 
   
  上(かむら)の春A(明日香村)2020.04.25  36×51p  
  明日香で一番雄大な景色は、上(かむら)集落からの眺めであろう。この日は春の明日香を描きに行ったので、とりあえず、上集落へ。談山神社へ行く自動車道の道路脇でスケッチブックを広げたが、どちらを向いても緑の春という景色に少し圧倒された。昨年春にも同じ場所で描いており、ちょうど1年ぶり。  
 
 
   
  細川の春(明日香村)2019.03.14   F6  
  朝、何気なく聞いていたラジオから「菜の花が満開」との声が流れてきた。快晴で気温も高そうなので「そうだ。明日香へ行って菜の花畑を描こう」と家を飛び出した。過去に菜の花が咲き誇っていたという記憶がある場所を何カ所か訪ねたが、今年は菜の花がまったく見つからない。石舞台古墳を過ぎ、細川谷を少し上った所で、田んぼの畦に座った。目の前に春らしい風景が広がっているが、彩りを加えてくれる菜の花はほんのちょっとだけ。遠くに大阪府との境にある二上山が見える。今年初めてウグイスの鳴き声を聞いた。  
 
 
   
  上(かむら)の春@(明日香村)2019.03.14   36×1p   
  菜の花畑にこだわるのを止めて春らしい大きな風景を描くことにし、上(かむら)へ移動した。談山神社へ向かう谷越えの橋の辺りから眺めが明日香では一番広がりがある。画面中央の場所に以前は林があったが、木が切り倒され上の家並みがいっそう良く見えるようになっている。春霞もなく遠くの山々もくっきり見えるので気分良く描いた。  
 
 
   
  細川の棚田(明日香村)2018.09.19   F6  
  上居からの俯瞰を描いた後、県道155号の道端から細川集落の棚田を描いた。手前の家並みは細川で、正面上の方の家々は上居のもの。さて描き始めようかと思っていたとき、カメラを抱えた老婦人が通りかかり「ここはすっかり駄目になった」という。彼女の狙い目は彼岸花のようで、どうやらその株数が以前より少なくなったのだろう。このページには上(かむら)がほとんどで、細川は2枚目。  
 
 
上(かむら)の秋@(明日香村)    2015.10.03    F6
10月に入り、この日は朝から申し分ない好天に恵まれた。10月第1週には明日香村の稲刈りはまだ始まっていないようなので、黄金色の田んぼを描くことだけに目的を絞って出かけた。まず石舞台古墳から桜井市の談山神社へ向かう県道沿いにある上(かむら)集落へ行き、集落内の道路から細川方面の棚田を見下ろすポイントに座った。ひまつぶしさんも4日前の9月30日に明日香へ行かれたらしく、氏のホームページにもまるで同じ場所に並んで座って描いたような絵が掲載されていた。田んぼの様子は日ごとに変化するようで、私の絵の方が、4日分だけ黄色が濃くなっていた。

上(かむら)の秋A(明日香村)    2015.10.03    36×51p
談山神社へ向かう県道には谷越えの大きな橋が架かっており、一段高いその付近からだと視野が広がり、さらに雄大な景色が眺められる。以前、田植えが終わった暑い季節に、その橋の橋桁の下に潜り込んで描いたことがある。今回はガードレールの外側の土手に椅子を置いた。土手の草はきれいに刈り取られており、ガードレールが身を守ってくれて安心。期待通りの景色が広がっているので、大型のスケッチブックを取り出した。

上(かむら)から(明日香村)       2015.04.16      36×51p
久しぶりの晴天なので春景色を描きに明日香へ。広大な風景を求めて上(かむら)へ行くと、期待通りの景観が広がっていた。田んぼではすでに田植えの準備が始まっており、水が入ればもっと魅力的になりそうだが、私が椅子を置いたのも田んぼの畔なので、もし田んぼに水が入ればもうこの場所からスケッチはできない。小さくて分かりにくいが、鯉のぼりが泳いでいるのがうれしい。いつものカラーコピー・スキャン方式の画像だと、遠くに見える葛城山の山並みと空の部分の再現性が良くないので、絵を写真撮影した画像にしてみた。

上(かむら)B(明日香村)       2015.04.16      F6
↑の絵を描いたあと、駐車した場所の近くでもう1枚描く気になった。以前まったく同じ場所で描いたことがあるが、出来が不満足だった。冬野川という細流に架かる橋の上から描いていると、小学生2人がお母さんと帰ってきた。スクールバスの停留場まで迎えに行ったのだろう。おあつらえ向きの点景になった。こういう場所で子供を見かける何だか嬉しくなる。

細川・秋祭りの日(明日香村)      2012.10.21        36×51cm
細川バス停近くで冬野川の対岸の田んぼの畔に座り、斜面に広がる細川の集落を見上げた。あちらこちらに大和棟造りの家があっていかにも奈良らしい風景である。どこからともなく祭囃子が聞こえてくる。「祭りが近いので練習かな」と思いながら、スケッチした。スケッチ後、集落の中へ入っていくと、大人や子供に曳かれた小ぶりな「だんじり」に出会った。まさに秋祭りの当日であった。

上(かむら)から細川の棚田(明日香村)      2012.10.21        F6
稲刈り前に明日香の棚田を描きに行きたいと思っていたが、あいにく雨になったり、野暮用があったりで、21日になってしまった。この春の田植え後に訪問した上(かむら)から細川の棚田を遠望できるポイントへ行ってみた。まだいくらかは黄色の田んぼも残っているが、大半の田んぼはすでに稲刈りは終わり、裸になっていた。その代わり日向でも描ける気候になっており、遠くに葛城山や金剛山が霞む雄大な景色を気分良くスケッチした。

上(かむら)の棚田(明日香村上)2012.06.14     36×51cm
まだ寒いころに上(かむら)へ行った時、その村をさらに上から眺めると、棚田と家並みの組み合わせが面白そうに思った。田植えが終わるのを見計らって出かけてみた。しかし現場へ行ってみると適当なスケッチ場所がない。談山神社へ向かう県道に谷越えの大きな橋があり、その橋の上からの眺めが一番良い。日差しは強いが、欄干にもたれての立ち描きを覚悟した。ところがふと見ると、どうやら橋の下へ潜り込めそうである。橋桁の下に畳1畳分ほどのコンクリート床のスペースがあり、眺めは橋の上と大差なく、日は当たらず風通しも良い。このまま住み着きたくなるほどの好環境なので、着色を終えたあと、食事までその場所で済ませた。

上(かむら)@(明日香村)2012.04.09     36×51cm
明日香へはたびたび出かけているのに、この「上」へは行ったことがなかった。多武峰へ通じる県道は、石舞台付近の混雑がウソのように車の通行量が少ない。ゆっくり車を走らせていて、この面白い家並みを見つけた。幸い日影や日向を気にする必要はないし、田んぼに水も入っていないので気楽に入っていける。というわけで道路脇に車を止め、構図が一番面白そうな場所を選んだ。

上から細川(明日香村)2012.04.09     F6
上の絵を描いている時、下手に気になる家並みが見えた。周辺は棚田になっており、田んぼの畦を上り下りしてスケッチポイントを探した。遠くの山裾には祝戸あたりの家並みも見え、なかなか魅力的である。帰宅後地図で確かめたところ、椅子を置いた場所は上(かむら)だが、家並みは細川という集落であることが分かった。

上(かむら)A(明日香村)2012.04.09     F6

上の絵の上手、冬野川に沿ってもう1カ所、気になる家並みがあったので、ついでにもう1枚。遠くに見える金剛山・葛城山までの山々の重なりも美しい。しかし、もう一つ気分が乗らず、雑な絵になった

明日香村上居へ
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