三重県

松阪(松阪市)

松阪では「御城番(ごじょうばん)屋敷」と呼ばれる武家長屋が有名である。城跡から見下ろすと10軒と9軒の計19軒の長屋が二つの大きな屋根にまとめられ、迫力がある。それ以外にかつての豪商の屋敷も多い。

     
   御城番屋敷(松阪市殿町)16.06.04      36×51p   
  「いらかぐみ」の2016年度オフ会が三重県伊勢市で開かれたのを機に松阪市を訪れた。松阪は2度目だが、以前訪問したときに城趾から眺めた「御城番屋敷」が印象に残っており、とりあえず城趾の高台へ直行した。御城番屋敷は幕末に松阪城の警護を任されていた紀州藩の藩士のための武家長屋で、国の重要文化財に指定されている。2棟の屋敷の巨大な屋根の向こうには城下町らしさを残す家並みが広がっている。幸いなことに薄曇りのため、それほど暑くもない。たっぷり時間をかけて、心ゆくまでスケッチを楽しんだ。16.11.14放送の「NHK家族に乾杯」でこの絵の上部中央に見えるお城のような建物は清水歯科の先代が建てた慰霊塔だと知った。  
 
 
     
   旧長谷川家B(三重県松阪市魚町)16.06.04      F6  
  松阪城趾から下りて市役所に近い魚町へ行った。ここにはかつて松阪商人と呼ばれた豪商が軒を連ねていたという。魚町の通りも空き地が目立つが、この旧長谷川家だけが極めて保存状態が良い。松阪へは2回目で、前回来たときにはこの長谷川家だけをスケッチしている。同じ建物を2度、3度と描くことに少し抵抗があったが、15年前の絵と比べてみるのもいいかなと思った。  
 
 
     
   松阪商人の館(松阪市本町)16.06.04      F6  
 
魚町の一筋東側が本町で、ここを旧伊勢街道が通っている。通りに面して「三井家発祥地」があり、建物は非公開だがその隣の空き地に説明板が建っていた(→の写真)。そこから北へ少し進むと「松阪商人の館」という建物があった。この建物は松阪木綿の江戸店持ちの豪商だった小津清左衛門家を資料館として公開したもの。スケッチ対象としては面白味に欠けるが、三井家などとともに松阪商人の代表格の家なので松阪訪問記念にスケッチした。長谷川家同様、立派な本卯建を上げている。




 
 
 
 
     
   大黒田町(松阪市)16.06.04      F6  
  松阪市役所周辺でのスケッチを終えて、郊外の国道42号と166号の交差点近くある「大黒田町」へ移動した。いらかぐみのメンバーから「昔の和歌山街道に沿って小規模だが非常に密度の高い古い町並みがある」との情報を得ていた。目的地に近いはずの大型ホームセンターに車を止めて歩き始めたが、珍しく方向を見失ってしまった。通りがかりの地元の人に聞いたが「古い町並みなんかあったかなあ」と頼りない返事である。ようやくそれらしい場所にたどり着いてみると、いかにも魅力的な町並みである。周辺には大型商業施設などがたくさんできているが、この旧街道筋だけが開発の波から取り残されたらしい。1階の軒下にこの地方独特の「尾垂れ」を付けた民家が並び、いかにも伊勢地方の町並みである。  
 
 
旧長谷川家@(松阪市魚町)01・05・12        F8
市内の魚町には松阪木綿で財をつくったという豪商が軒を連ねていたという。そのうちの一軒、形のよいうだつを上げた長谷川家を描いた。スケッチブックを広げた場所は江戸後期の国学者・言語学者の本居宣長の旧宅前だった。

同じ家を少し角度を変えて描いた。松阪といえばやはり牛肉。「和田金」「牛銀」が有名だが、この家と同じ通りにある「牛銀」に入り、上牛丼(1300円)というのを注文した。ご飯の上にローストビーフみたいな肉が載っており、牛丼ならかえって「吉野家」の方がうまいような気がした。








旧長谷川家A(松阪市魚町)01・05・12       F6

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