三重県

伊勢路宿(伊賀市)

昔、大阪や奈良から伊勢参りする街道には「伊勢本街道」と「伊勢表街道」があり、奈良県榛原町で分岐していた。そのうち青山峠を越える方の道が表街道で、初瀬街道、あを越えとも呼ばれた。その街道の青山越えを控えた宿場が伊勢路宿だった。街道一の繁盛ぶりだったという。04年11月1日、旧青山町から新発足の伊賀市の一部になった。

伊勢路宿1(伊賀市=旧青山町)05.03.31 36×51cm
「元は本陣だった」というIさんのお宅の前に陣取って、変化のある家並みを描いた。足元の溝をきれいな水が流れており、この水を汲んで彩色した。風が案外冷たい。Iさんがご馳走してくださったコーヒーで体が温まった。

伊勢路宿2(伊賀市=旧青山町)05.03.31 36×51cm
常夜灯が建つ枡形の付近でもう1枚。右側の空き地に残る土蔵の造りからここにも壮大な建物があったことが想像できる。江戸時代の後半からこの街道が伊勢参りの主流になったそうで、徒歩での伊勢参りは鉄道開通後も大正時代まで続いたといわれる。

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