京都府

縄手通(大和大路通)(京都市東山区)

京都・鴨川の東を南北に通る大和大路通は三条と四条の間を「縄手通」という別名で呼ぶ。縄手とは土手道の意味だそうで、昔は鴨川の土手道だったらしい。四条寄りに伝統的建造物群保存地区に選定されている祇園新橋地区があり、観光客の姿も多い。

大和大路通四条下ル(京都市東山区)    2014.10.23       F6
この日は個展を開催することになっているギャラリー祇園小舎へ打ち合わせに立ち寄った。その帰り、もう1枚描きたいと思い、周辺をうろついた。四条通から大和大路通(縄手通)を少し南へ行ったところで、洗濯物を干した家の向こうに祇園の象徴である弥栄会館がちらりと見えた。それだけのことだが、椅子に座ると弥栄会館の屋根が少ししか見えなくなり、洗濯物だけの絵になってしまうので、駐車場の入り口で立ち描きした。

京阪三条駅の南側、縄手通の商店街の入り口に木造3階建ての蒲鉾屋さんがある。「キク嘉老舗」という店で、天保年間に上京区で創業したが、文久7年に当時の東海道の起点だった三条大橋東詰に移転、その後京阪電車の三条駅建設(大正4年)に伴い、縄手通の現在地に移転したという。

「キク嘉老舗」(京都市東山区)2011.12.19     F6

縄手通古門前上ル(京都市東山区)06.08.15     36×51cm
縄手通は古くからの商店街(京都祇園縄手繁栄会)になっている。京阪電車三条駅に近い古門前上ルでスケッチしたが、三条駅が地下化されターミナル機能を失ってから、この商店街の三条側は客足が落ちたらしい。ところどころに空き店舗なども目立つが、看板を確かめてみるとこの通りに数多い「古美術」のほか「古代裂」「象牙」(茶入蓋)など京都らしい老舗が並んでいる。中には「ばったり床机」を備えた店舗まであって嬉しくなった。

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