京都府

本願寺界隈(京都市下京区)

京都駅にほど近い東本願寺と西本願寺の大伽藍の周辺には仏具や法衣などを扱う店や参拝客を相手にした旅館などが建ち並び、独特の雰囲気がある。

西本願寺総門と伝道院(京都市下京区)      2012.11.24        F6
この日は、10月に台湾で開かれた「日台絵画交流展」の出展者らによる昼食会が京都駅前のホテルで開かれた。展覧会でお世話になったみどりさんもわざわざ台湾から来日された。ついでにスケッチもするつもりで、少し早めに家を出て京阪電車七条駅を降りた。ポイントを探しながら七条通に沿って西へ歩いたが、その気になる場所がなく、とうとう堀川通を越えて西本願寺まで来てしまった。伝道院の建物でも描くかと思ったが、うろうろしている間に時計の針が進み、複雑な建物を描くには時間が足りない。少し前与堂さんが描かれた本願寺総門の向こうにチラッと伝道院の頭が見える構図を思い出し、御影堂門の脇から急いで描いた。昼食会には5分ほど遅刻した。

西本願寺伝道院付近(京都市下京区正面通油小路)2011.03.13     36×51cm
ここ10年ほど修理のための覆いがかかっていた「西本願寺伝道院」がその姿を現したと聞き、スケッチに行った。伝道院は旧真宗信徒生命保険鰍フ社屋として1912年(明治45年)に建てられたといい、1988年に京都市の指定有形文化財となっている。仏具店や法衣店が並ぶ正面通でスケッチしていると、町内の人などが暖かい言葉をかけてくれた。

新町通七条上ル(京都市下京区)2011.03.13     F6
西本願寺伝道院へ向かう途中、通りかかった「新町通七条上ル」でいかにもスケッチしてほしいと言っているような土蔵を見つけた。南側から描いたが見事に失敗、伝道院を描いた帰りに今度は北側から描いた。

東本願寺あたり(京都市下京区)04・06・15 キャンソンF8
この日は30度を越える暑さ。「絵になる風景」を探しながら烏丸七条交差点を西へ。おあつらえ向きに東本願寺の門があり、ありがたいことに深い日陰を提供してくれている。迷わずここへ入り込み、目の前に見えるタワーを描いた。かつて景観論争を巻き起こした京都タワー。私はいまだに好きになれないが、「このタワーを見ると京都へ帰ってきたと感じてほっとする」と話す京都人も増えた。

西本願寺あたり(京都市下京区)04・06・15 アルシュB3
両本願寺そのものを描かないとなると、絵を描きたくなる場所は案外なく、遠く「島原」までも足を延ばした。再び西本願寺の正門(御影堂門)まで帰ってくると、門の影が長く伸びて西日を完全に遮っている。夕方の爽やかな風を感じながら、堀川通りに面した「総門」と仏具店が密集している「正面通」を描いた。

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