神奈川県

関内(横浜市中区)

近代建築をスケッチ対象とするようになってから、一度は近代建築が集積する横浜市の中心部で描いてみたいと思っていた。江戸時代末期の横浜開港に伴い開港場の区域を「関内」と呼んだことに由来して、市内中心部を今でも関内と呼んでいるが、住所表示上の正式な地名ではない。関内にある神奈川県庁、横浜税関、横浜市開港記念会館にある塔を「横浜三塔」と呼び、それぞれは「キング」「クイーン」「ジャック」と呼ばれているそうだが、一番魅力的なのはやはり「ジャック」であろう。

横浜市開港記念会館(横浜市中区本町)2013.10.23      36×51cm   
千葉市内で学生時代の仲間と楽しい時間を過ごした後、夜のうちに次のスケッチ目的地である横浜市へ移動した。千葉から横浜まで乗り換えなしの快速が走っていることを初めて知った。横浜ではまず開港記念会館を描くことに決めていたので、同会館に近い関内駅近くのホテルを予約していた。翌朝早く、何とか雨に遭わずに済みそうなのにほっとしながら、会館の向かいにある裁判所前の歩道に座った。開港記念会館は横浜開港50周年を記念して、大正6(1917)年に建てられ、昭和34(1959)年から市の公会堂として利用されているという。





”くじらのせなか”から(横浜市中区)2013.10.23      36×51cm
横浜では「赤煉瓦倉庫」や「みなとみらい21」と呼ばれるビル群なども描いてみたいと思っていたが、地理不案内でどこへ行ったらよいか分からない。ホテルの部屋にあった手作り案内マップに「横浜港大さん橋国際旅客船ターミナル屋上からの眺めが抜群」と書いてあったので、半信半疑ながら行ってみて驚いた。この屋上は”くじらのせなか”と呼ばれているそうで、ウッドデッキと芝生を組み合わせたなだらかな丘のような構造になっている。視界は360度で、暑い夏や寒風が吹く冬は別として、これほどスケッチに適した場所を知らない。嬉しくなって正面に見える赤煉瓦倉庫やみなとみらい21をスケッチした。反対側に見えた山下埠頭や横浜ベイブリッジなどの風景も魅力的だった。私の後ろでは小学生の団体がわいわい言いながら弁当を広げていた。

神奈川県立歴史博物館(横浜市中区南仲通)2013.10.23      F6
手間のかかる構図で2枚描いたら昼どきになったが、昼飯前に「これもぜひ」と思っていた神奈川県立歴史博物館の建物を描いておくことにした。この建物は1904年(明治37年)に横浜正金銀行の本店として建てられ、昭和42年(1967年)から神奈川県立の博物館として使用されており、建物が面している道を「馬車道」というそうだ。近くに行ってみると、同年輩と思われる男性3、4人がこの建物を描いておられる。いかにも人気の建物らしい。描き始めてみると、ディテールがいかにもややこしい。スケッチを終わって、左右のバランスが崩れているのに気がついたが、描き直す元気はなかった。

神奈川県・横浜中華街へ
「東日本、東北北海道の旅」へ