愛知県

四間道(しけみち)(名古屋市西区那古野)    

名古屋駅から徒歩圏内の場所に「四間道(しけみち)」という古い町並みがある。1700年(元禄13年)に名古屋城下で大火があり、それを機に堀川沿いの商業地区の道幅を防火目的と商業振興のため4間(約7メートル)に広げたのが、この呼び方の始まりという。その道に沿って土蔵がずらっと並ぶ独特の景観が残っている。この辺りの町名は「那古野」という。戦国時代に今の名古屋城がある場所に那古野城(なごやじょう)というのがあったようなので、那古野は「なごや」と読みたくなるが、町名の方は「なごの」と読むらしく、町名表示板に仮名が振ってあった。

四間道(しけみち(名古屋市西区那古野)    2014.11.24       F6
この日は地下鉄・丸の内駅近くのホテルを予約していた。そのすぐ近くに四間道(しけみち)の町並みがあるので、日暮れまでそこでスケッチすることにした。さすがに日が短く、すぐに手元が見えにくくなった。








円頓寺(えんどうじ)商店街にて(名古屋市西区那古野)    2014.11.25       F6
翌朝目が覚めると、天気予報通りしっかりと雨が降っている。犬山にでも行ってみるかと思っていたが、雨ではどうしようもない。とりあえず四間道界隈で雨でも描けることを前日に確認していた場所で1枚描いてから次の行動を考えることにした。四間道を北に進むと円頓寺(えんどうじ)商店街との交差点に出る。以前はずいぶん賑わっていたと思われる商店街にはアーケードがあり雨が避けられるが、そこから駐車場を隔てて四間道の続きの土蔵が並ぶ町並みが見えた。駐車場の場所にはかつて「開慶座」「豊富館」といった劇場、映画館などがあったそうだが、取り壊しになったおかげで、見通しがきくようになった。おまけに商店街は車の進入禁止で好都合だった。



屋根神様(名古屋市西区那古野)    2014.11.25       F6
四間道からちょっと横道へ入ったところに、屋根の上に祠を載せた家がある。「屋根神様」というらしく、ウィキペディアによると、愛知県と岐阜県に広く分布し、名古屋市内では戦災の被害が少なかった西区に一番多く残っているという。ずいぶん昔、まだ会社勤めをしていたころ、出張のついでに名古屋駅からここまで歩いてきて、物珍しさから小さなスケッチブックに→の絵を描いた。今回も屋根神様を載せたこの家だけはぜひ描きたいと思っていた。路地の奥にある子守地蔵尊と組み合わせると絵になる構図である。しかし雨はかなり激しく降っており、雨を避ける場所がない。仕方なく写真を撮って、帰宅後絵にした。









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